2025.12.05

​シルクロード南道の歴史と文化

かつて東西文明を結んだシルクロードで、その南路と呼ばれた道筋を、現代のラグジュアリー列車「星享鉄旅」で巡る6日間の旅をご紹介したいです。カシュガルから西寧へ至るこの旅は、悠久の歴史と多様な文化が息づく地を訪ね、他にはない体験となるでしょう。

1日目:カシュガル到着

旅の始まりは新疆ウイグル自治区の西部に位置するカシュガルです。かつて「疏勒」と呼ばれ、シルクロードの要衝として栄えたこの地では、空港到着後、ホテルでくつろぎます。夕方にはウェルカムディナーが用意されています。

2日目:カシュガルの伝統文化を体感

午前中は高台民居を訪れ、伝統的な手工芸を体験します。印花布や土器作りは、千年の歴史を感じさせる貴重な体験になります。午後はカシュガル旧市街を散策します。2000年以上の歴史を持つこの街は、西域の古都の面影を色濃く残しています。夕食は「ムカム」の演奏を楽しみながらの特別ディナーです。ムカムはユネスコ無形文化遺産に登録された古典音楽で、歌と舞踊の調べは、かつてこの地を旅した人々も聞いた古の響きです。夜は列車に乗り込み、次の目的地へ向かいます。

3日目:ホータンで古代文化に触れる

列車での朝を迎え、午前中は車内でくつろぎます。午後はホータン博物館を専門家の解説付きで見学します。ニヤ遺跡などから出土した約400点の文物は、西域の歴史を物語る貴重な資料です。続いてホータン手織り絨毯工房を見学します。シルクロードを代表する工芸品である絨毯が、職人の手で一つひとつ丁寧に織り上げられていく様子は圧巻です。夕方にはヨトカン古城を訪れ、古代オアシス都市の雰囲気を体感します。夜は再び列車にて移動します。

4日目:古代西域のロマンを求めて

この日は、古代西域の歴史に深く関わる二つの地を訪れます。午前中はミラン遺跡へ行きます。かつて楼蘭国の副都として栄えたこの地には、仏教寺院の跡などが良好な状態で残されています。午後は楼蘭博物館へ向かいます。シルクロードの要衝として栄え、忽然と消えた楼蘭王国の歴史を、出土品や資料から学ぶことができます。専門家による詳しい解説付きで、古代への理解が一層深まるはずです。

5日目:青海省の宗教文化を訪ねて

最終目的地の青海省西寧市に到着します。午後はタール寺を訪問します。チベット仏教ゲルク派の総本山として知られるこの寺は、16世紀に建立された歴史ある寺院です。バター彫刻、壁画、堆繍は「タール寺三絶」として知られ、チベット仏教藝術の粋を集めています。VIP専用車と専門ガイドによる案内で、通常では見られない貴重な文化財にも触れることができます。

6日目:西寧にて旅の終わり

朝食後、空港へ向かい、この旅は終了となります。この旅の特徴は、何と言っても列車が移動手段であると同時に宿泊施設でもある点です。車中ではシルクロードの風景を楽しみながらくつろぎの時間を過ごせます。各所で専門家による解説が用意されており、歴史や文化について深く学べるのも魅力です。かつて西域と呼ばれた地を巡り、数千年の時を超えて受け継がれてきた文化に触れます。この旅は、シルクロードに魅了された者にとって、忘れがたい体験となるでしょう。

※旅程や訪問地は運行情報等により変更となる場合があります。詳細は「星享鉄旅」公式サイトをご確認ください。

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